ハワイの日系女性ー最初の100年ー

By | 2017年6月4日
ハワイの日系女性
パッツィ・スミエ・サイキ
Japanese
秀英書房
1995
ハードカバー
250
伊藤 美名子

ハワイが多民族社会、複数文化社会として発展を遂げるのに貢献した日本の女たち。ハワイ生まれの日系二世の著者が、自らの経験や長年のリサーチをもとにまとめた、一世紀にわたる日系女性たちの記録。

(「MARC」データベースより)

素晴らしいのは移民以前から政治、アートの世界まで活躍の場を広げるまでにいたった歴史すべてに目配りの効いた内容になっていること。移民の歴史について詳しくなくとも予備知識なく読み進めることが出来る。これは翻訳者である伊藤 美名子さんの力でもある。最初のころに本書に出会えたのは幸運だった。(古い布哇文庫のサイトを見たら丸善で買ったと書いていますね)

目次を見て頂いても宗教の境目なく言及されていることがわかる。

第7章の「闘士の妻」では牧野金三郎の妻について記述される。ここで読者はハワイの労働争議や教育問題についても知ることが出来る。

第9章の「政界への進出」ではパッツィ・ミンクさんが取り上げられている。政治の世界では第二次世界大戦中の体験もあって、「日系」であることのバリアを感じたことは無かったようだが、その前に医師を目指した時代、弁護士時代には女性であることゆえの壁を感じていたようだ。

目次

  • 第1章 漂流者
  • 第2章 元年者
  • 第3章 官約移民
  • 第4章 日本人社会とキリスト教会
  • 第5章 初期の日本人移民女性たち
  • 第6章 ハワイの仏教
  • 第7章 闘士の妻
  • 第8章 女性の教育者たち
  • 第9章 政界への進出
  • 第10章 芸術家
  • ハワイ日系移民関連年表
  • 参考文献